2021/10/31 (更新日: 2021/11/07)

『茲山魚譜チャサンオボ』が11/19（金）日本公開：師弟の美しい絆と風景をモノクロで描く

ヒューマン映画新作紹介

『茲山魚譜チャサンオボ』(原題：자산어보)が11/19（金）日本公開です。

公開劇場はこちら（外部リンク・公式サイトです）

聞き慣れない言葉“チャサンオボ”とは…朝鮮時代に記された海洋生物書のこと。要するに『海の生き物図鑑』ですね。

優秀なのに島流しにされたチョン・ヤクチョンという学者が、海に詳しい現地の青年と協力して完成させた“チャサンオボ”。

実際に書物の中に記されていた内容を基に、師弟の美しい絆と風景をモノクロームで描く本作、ご紹介します。

11/19（金）に日本公開『茲山魚譜チャサンオボ』

あらすじ

1801年の朝鮮時代。第23代スンジョ国王はまだ幼く、曽祖母のチョンスン王后が実質的権力を握っていた。

チョンスン王后は天主教（カトリック）信者を異教徒として迫害を行い、自身の側近たちをも容赦無く島流しに。

その内の1人、優秀な学者であるチョン・ヤクチョン(演：ソル・ギョング)も、黒山島（フクサンド）に島流しにされる。

しかし島の人々の温かさに触れ、また豊かな海の生き物に心を奪われたヤクチョン。

貧しい島民達のための“海洋生物学書”を書き記したいと考えるようになる。

そんな中、島で１番海のことに詳しい青年チャンデ(演：ピョン・ヨハン)と知り合う。

チャンデは学問を身につけることに憧れており、ヤクチョンは彼に学問を教える代わりに、海の知識を分け与えることを持ちかける。

黒山島（흑산도・フクサンド）ってどこ？

場所はこちら。朝鮮半島の南西に位置してます。

全羅南道西南部の市・木浦(モクポ)からさらに南西に約90km距離にある島です。

現在も木浦沿岸旅客船ターミナルからアクセス可能。
こちらの方のブログ(外部リンク)、黒山島旅行記が非常に興味深いのでぜひご覧ください。

キャスト

※『』内は代表作です。

チョン・ヤクチョン役：ソル・ギョング 『殺人者の記憶法』
チャン・チャンデ役：ピョン・ヨハン　ドラマ『ミセン-未生-』
カゴ役：イ・ジョンウン 『パラサイト半地下の家族』
チャン・ヤギョン役：リュ・スンリョン 『国際市場で逢いましょう』
チョンジョ役：チョン・ジニョン 『7番房の奇跡』
チョン・ヤクチョン役：チェ・ウォニョン 『殺人の告白』
イ・ガンフェ役：カン・ギヨン 『君の結婚式』
ボンレ役：ミン・ドヒ ドラマ『応答せよ1994』
オム役：チョ・ウジン 『SEOBOK／ソボク』

脇を固めるキャスト陣もかなり豪華です。

ポン・ジュノ監督の『パラサイト半地下の家族』でその名を日本でも知らしめたイ・ジョンウンも出演。

ポン・ジュノ監督作品のレギュラーと言っていい彼女が個人的に大好きで、本作にも期待大です。

監督

『王の男』(2006年)、『ソウォン／願い』(2013年)などで知られるイ・ジュニク監督です。

2021年百想芸術大賞で映画部門の大賞受賞。

ちなみに監督は前作『「空と風と星の詩人～尹東柱（ユン・ドンジュ）の生涯～』もモノクロで仕上げました。

「カラー」が持つ彩りを取り除き、人物の感情や表情を強調するためにモノクロを選択したということです。

本作もモノクロにしたのは、前作を踏襲してのことと推測されます。

公式予告動画はこちら！

みどころ　『庶民に焦点をあてた時代劇』

白黒…時代劇…と敬遠されがちな2つの要素が合わさっている本作。

だからといって毛嫌いするのはもったいないです。

本作は朝廷周辺の小難しい政治戦略ではなく、あくまで庶民が主人公。

当時の朝鮮の人たちは何を思い、どのような生活を強いられていたのか。

韓国映画をよく見る我々も、なかなか知ることのない部分だと思います。

この時代に生きた庶民の生活と、そこに息づく想い。ぜひスクリーンで体感してください。

おわりに

いかがだったでしょうか。

『茲山魚譜チャサンオボ』(原題：자산어보)は11/19（金）日本公開です。

ご覧いただきありがとうございました。

また次の記事もご覧頂ければ幸いです。

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