『建築学概論』感想:“青春”というナイフで男性の胸をエグる恋愛映画!
こんにちは。Masashiです。
今回は映画『建築学概論』(原題:건축학개론)の感想記事です。
2012年に韓国公開、翌2013年に日本公開されました。
韓国国内では恋愛映画で初めて観客動員数が400万人を超えた大ヒット作。
タイトル『恋に落ちた家』として、山下智久主演の日本版リメイクが決定したことで再注目されている本作。
出典:『タワーレコードオンラインニュース』2021年11月05日記事
本記事はややネタバレを含む感想ですので、未視聴の方はご注意ください。
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もくじ
映画『建築学概論』
まずは作品情報から。
作品情報
あらすじ
建築学科の大学生スンミンは、“建築学概論”の授業で音楽学科に通う女性ソヨンと出会い一目惚れする。
授業の課題を通して親密になる2人だったが、奥手なスンミンはソヨンへの恋心を伝えられないまま、ある出来事をきっかけに疎遠になってしまう。
15年後、建築士になったスンミンの元に、ソヨンが「自分の家を設計してほしい」と訪ねてくる。
家の設計を進めるうちに、薄れていた15年前の記憶が蘇ってくる。
キャスト
- スンミン役:オム・テウン/大学生時代:イ・ジェフン
- ソヨン役:ハン・ガイン/大学生時代:ペ・スジ
- 友人ナプトゥク役:チョ・ジョンソク
- 大学の先輩チェウク役:ユ・ヨンソク
監督
イ・ヨンジュ監督です。
2021年に日本公開されたコン・ユ&パク・ポゴムW主演の映画『SEOBOK/ソボク』の監督・脚本を務めています。
>>『SEOBOK/ソボク』の感想・考察記事はこちら(ややネタバレあり)
それではこれより映画『建築学概論』の感想です。
『建築学概論』感想
息苦しくなるほどの切なさ
とにかく切ない!
見るたび、胸がエグられるような感覚に陥る作品です。
本作は「女性よりも男性に刺さる」と言われてますが、確かにその通りかもしれません。
これを見た人の多くが、別にこんな青春だったわけではないと思います。
「こんな青春だったらよかったなぁ」と思いながら見ているうち、なぜかいつの間にかスンミンと自分の青春時代を重ね合わせてしまいます。
© 2012 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved
というのも、大学時代のスンミンがいい意味で“イモ大学生”なんですよ。
見た目はかっこいんですけど、発言や思考や諸々がアカ抜けていないと言いますか。
だから親近感湧くんですよ。
要するに感情移入からの“没入感”がすごいです。
そこからすっごく切なく感じるようになります…。
私のように大した青春時代を送ってなかったとしてもです。
© 2012 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved
本作のキャッチフレーズは「みんな、誰かの初恋だった」です。
鑑賞前は「そんなわけねーだろ!」と一蹴したくなりましたが、見てるうちに「あぁ、そうなのかも…」と自分の青春時代が美化されて、ダメだった部分も成仏させてくれる作品と言いましょうか。
私の世代的に90年代のCDプレーヤーとかはギリわかるんですが、ポケベルは分かりません。
今の40歳前後の方はご自身の青春と重なり、そのノスタルジーも楽しめる作品ではないでしょうか。
奥手なスンミン、気持ち分かるよ
大学時代のスンミンは、最後までソヨンに想いを伝えることができないまま疎遠になってしまいました。
これすっごいわかるんですよ、スンミンのイモ大学生感も相まってね。ご覧になった方は分かるでしょう。
見ましたかあのピュア感。遊びまくりなチェウク先輩とは違うんですよ彼は。
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それがスンミンの良いところでもあるんですよ。「真っ直ぐなまま、道を外すことなく生きていってくれ!」とすら思いました。
ただ、本作を見てこう言う人もいるんですよ。

敵「いや、でも好きなんだったら好きって早く言えば良いのに。結局ヘタレなだけじゃん」
そんな人に「うっせぇ!!」と私は言いたい…。
見てましたかこの作品を。あの純朴な青年スンミンの様子を。
親友のナプトゥギに恋愛相談する時に「自分じゃなくて知り合いの話なんだけど…」ってもう中学生じゃないですか。
そんな彼が、一目惚れしたソヨンと2人でデートなんて、その時点では明らかに経験値不足です。
なのになんで一足飛びに「告白しろよ」なんて言えるんですか!
初めから上手くできる人ばかりではありません。
この映画には我々“イモ男子”へのメッセージ性を感じます。
「青春時代は、失敗の連続だ」と。
「そうやって色んなことを学んで成長していくんだ」というイ・ヨンジュ監督から我々への応援歌とも捉えることができますね。
スンミンの見た目も行動もイモっぽいオーラを演じきった俳優のイ・ジェフン、さすがです。
あなたは我々のようなイモ男子をイヤミなく演じてくれました…。
心から敬意を表します。
月並みな「後悔先に立たず」という言葉
「やった後悔よりも、やらなかった後悔の方が大きい」とよく言われますが、最近このことを痛感します。
趣味でも恋愛でも仕事でも、生きていく上で「やりたい」と思うことはなんでもやっておくべきですね。
自分の人生いつどうなるか分からないし、手遅れになってから「やっぱりやれば良かった」なんて思いたくないですしね。
「あの時こうしていれば…」という、やらない後悔の真骨頂映画。
この映画を教訓に私もせめてこれからの人生は、そういう後悔をせずに生きていきたいものです。
渋いタイトルが好き
『建築学概論』っておしゃれなタイトルだなぁとつくづく思います。
タイトルだけ見たらなんの映画か分からないじゃないですか。
私も初見の時は予備知識ゼロで見てみました。てっきり真面目なアカデミック映画かとも思ってました。
イ・ヨンジュ監督は実際に建築士として働いていた経験があったそうです。
明らかにはされていませんが、監督の青春時代にベースとなるご経験があったのでしょうか…。
ちなみに日本版リメイクのタイトルは『恋に落ちた家』です。
ラブストーリーとすぐ分かるので、これはこれでヒットに繋がりやすいかと。
“国民の初恋”スジ
© 2012 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved
本作で大学時代のソヨンを演じたぺ・スジ。
この作品がきっかけで、“国民の初恋”と呼ばれるようになりました。
※韓国は“国民の◯◯”と言う呼び名が多いです。“国民の妹、弟、彼氏”など。
元々はアイドルグループmissAのメンバーとして活動し、現在は完全に女優に転身している彼女。
スジは本作公開時18歳でした。
Nerflixで配信中のドラマ『スタートアップ: 夢の扉』(2020年)でも主演を務めています。
このドラマ時点で27歳なんですが、18歳の頃と良い意味で変わっていませんね。
そんなスジの透明感が限界突破しているMVがこちら。
Epitone Project(에피톤 프로젝트)のfirst love(첫사랑)という曲のMVに出演してます。曲のタイトルもまんま“初恋”というね。
音楽とのハーモニーも秀逸です。
スジ効果もあって驚異の1,400万回再生。
『建築学概論』はスジを国民的女優に押し上げた出世作ですね。
透明感は加速し、大人びた魅力も増してきた彼女の今後の活躍に期待です。
おわりに
いかがだったでしょうか。
切なすぎて胸がエグられた方が多い作品かと思います。
私もそうなんですが、なぜか定期的に見たくなるのはなぜでしょうか…。
最後までご覧いただきありがとうございました。
また様々な映画紹介・レビューをしていきますので良かったらブックマーク等お願いします。
それではまた。
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