【韓国版キャスト&感想】『リトル・フォレスト 春夏秋冬』:“人生の雨宿り”の大切さ
こんにちは。Masashiです。
今回は映画『リトル・フォレスト 春夏秋冬』のキャストを細かく紹介し、後半には鑑賞した感想もお伝えします。
日本の漫画原作(五十嵐大介 著)で、日本で2014年に橋本愛主演で映画化されています。
韓国版のリメイクとして本作『リトル・フォレスト 春夏秋冬』が2018年に公開されました。
本記事は結末含むネタバレは含みません。未視聴の方も安心してご覧ください。
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もくじ
あらすじ
教員試験に失敗し、恋人ともうまくいかないへウォンは逃げるように故郷に帰ってくる。
旧友のウンスクとジェハに再会し、共に実らせた農作物で食事を作り、四季を過ごす。
かつて一緒に暮らしていたのに失踪した母のことが気がかりで、悩み事は尽きない。
それでもウンスクとジェハ、そして豊かな自然に支えられながら、へウォンは自分の生き方に向き合っていく。
韓国映画『リトル・フォレスト 春夏秋冬』キャスト
キム・テリ(へウォン役)
(C) 2018 Daisuke Igarashi / Kodansha All Rights Reserved.
都会の生活を抜け出し故郷に帰ってきたへウォンを演じたキム・テリ。
- 生年月日:1990年4月24日
- 出身:ソウル特別市
- 出身校:慶煕大学・政経学科
- 代表作:『お嬢さん』(2016年)、『1987、ある闘いの真実』(2017年)
キム・テリは、約1500人が参加した鬼才パク・チャヌク監督作品『お嬢さん』のスッキ役のオーディションで見事スッキ役を勝ち取りその名を一気に知らしめました。
また『1987、ある闘いの真実』では、民主化運動の最中で奮闘する大学生ヨニ役を演じ、韓国トップの俳優陣と遜色ない存在感を見せつけます。
本作は従来作品と比べて“平和”で“のんびり”した作風ではありますが…自分の生き方に葛藤するへウォンという役を好演。
リュ・ジュンヨル(ジェハ役)
(C) 2018 Daisuke Igarashi / Kodansha All Rights Reserved.
一度都市に出たあと、地元で果汁園を営むジェハ役を演じたリュ・ジュンヨル。
- 生年月日:1986年9月25日
- 出身:京畿道スウォン市
- 出身校:スウォン大学演劇映画学科
- 代表作:『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年) ドラマ『恋のスケッチ~応答せよ1988~』(2015年)
そこはかとなく“一般人”感が漂う彼ですが、映画やドラマを見た後にすごく魅力的に見えてしまうのが不思議です。
失礼な言い方ですが、イケメンというわけではないですが高身長(公称183cm)でスラッとしてるので、演技を通して醸し出す雰囲気と温かい笑顔が絶妙にカッコよく見えてくるんでしょうか。
ソン・ガンホ主演の大ヒット映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』でも、光州事件に巻き込めれる大学生という重要な役を担いました。
>>代表作『タクシー運転手 約束は海を越えて』の感想記事はこちら!
チン・ギジュ(ウンスク役)
(C) 2018 Daisuke Igarashi / Kodansha All Rights Reserved.
地元の農協に勤めつつ息苦しさを感じるウンスクを演じたチン・ギジュ。
- 生年月日:1989年1月26日
- 出身:ソウル特別市(江原道・春川で育つ)
- 出身校:中央大学・コンピューター工学専攻
- 代表作:『殺人鬼から逃げる夜』(2021年)
本作がスクリーンデビュー作でした。
2021年に日本でも公開された映画『殺人鬼から逃げる夜』では、耳が聞こえない中で殺人鬼から逃げ惑う女性を演じました。
実は彼女、大学卒業後にサムスンSDS(財閥系システム大手)→民放の記者→モデル→役者という異色の経歴。
濃厚な社会人経験が深みのある演技力につながっているのでしょうか…
まだ役者としてのキャリアは短い彼女、今後の活躍に期待大です。
ムン・ソリ(へウォンの母親役)
(C) 2018 Daisuke Igarashi / Kodansha All Rights Reserved.
へウォンの母親役のムン・ソリ。
- 生年月日:1974年7月2日
- 出身:釜山広域市
- 出身校:中央大学・先端映像大学院
- 代表作:『ペパーミント・キャンディー』(2000年)、『愛してる、マルスンさん』(2005年)
夫は『1987、ある闘いの真実』の監督も務めたチャン・ジュンファン。
ムン・ソリも声だけ出演したので、一応はキム・テリと共演していたことになります。
以上が主要キャスト紹介でした。これより感想です!
韓国映画『リトル・フォレスト 春夏秋冬』感想
都会の生活から抜け出し、緑豊かな地元に戻ってきたへウォン。
何一つうまくいってない“自分の人生”を、これからどう生きていけばいいのか自問自答する日々。
それでもお腹は減るし、毎日が過ぎて四季は巡ります。
(C) 2018 Daisuke Igarashi / Kodansha All Rights Reserved.
私はへウォンのように人生を見つめなおす時間があってもいいと思います。
その中で自分が本当にやってみたいことが見つかるかもしれません。
何が正解で、何が不正解かなんて、誰かに決められる筋合いはありません。
劇中の会社とか教員試験とか…競争と切り離せないところから一度離れてみることって、自分を客観的に見つめる上で非常に大切なことだと思います。
『多様性』を尊重される昨今、いろんな生き方が肯定されるべきだし、実際そういう世の中になりつつあります。
もちろん世の中いろんな考えの人が合いますから、「何歳までに結婚すべき」とか押し付けてくる人もいますが…価値観なんて人それぞれじゃないですかね。
まして何が正解だったかなんて、死ぬ時にならないとわからりません。
本作ではそんな“当たり前だけど忘れがち”なことを、緑豊かな景色と役者陣の瑞々しい表現で最大限伝えてくれます。
(C) 2018 Daisuke Igarashi / Kodansha All Rights Reserved.
お腹が空いたら美味しいご飯を食べて、友達とくだらない話をして…幸せは、意外と身近に転がっている気がします。
ただ、ストレスが溢れる多忙な日々の中でそれを見落としてしまっているだけで。
たまには立ち止まって、ぼーっとしてみる時間こそ、一番客観的に、俯瞰で自分の人生に向き合える時間なんじゃないか?
こんなにも自然に囲まれながら、気の許せる友達と“人生の雨宿り”をするへウォンが羨ましく思います。
近頃は一泊二日で農村体験ができるツアーなどが増えているようですね。
都会の喧騒から離れてみたい方は、申し込んでみてはいかがでしょうか。私も緑に囲まれてリフレッシュしたいです。
大人になってから失っていた、なにか大切な感覚を思い出させてくれる作品でした。
日本版との“違い”
橋本愛主演の日本版と比較されがちな本作ですが…個人的には全く別物と考えるべきと思います。
色々と異なる部分はあるのですが、それはほとんど作品自体の長さから来るものではないかと。
日本版は前編『リトル・フォレスト 夏・秋』と、後編『リトル・フォレスト 冬・春』に分かれており、合計で約4時間の作品。
(C)「リトル・フォレスト」製作委員会
一方、韓国版は『リトル・フォレスト 春夏秋冬』であり、一作品(1時間43分)で四季を巡らせています。
作品自体の長さが違うため、フォーカスする部分も違います。
日本版の方が単純に倍の長さなので、その分自然と対峙する場面が多いです。
主演の橋本愛の語りで、ただひたすら農作業や食事を作るシーンが大半を占めます。
田舎暮らしの実情を淡々と描きながら、細やかな解説で飯テロの要素も生まれます。
一方韓国版はキャラクターにフォーカスし、現代社会に苦悩する登場人物たちの物語を描きます。
(C) 2018 Daisuke Igarashi / Kodansha All Rights Reserved.
2時間でうまくまとまっているイメージ。
日本版が好きな方が多いかもしれませんが、私は韓国版の雰囲気も大好きなんですよね…。
(C) 2018 Daisuke Igarashi / Kodansha All Rights Reserved.
それぞれ違いはあったとしても、優劣はありません。
日本版と韓国版、全くの別物としてご覧になった方が楽しめるかと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか。
韓国映画といえばドロドロのノワール映画などが注目されがちですが、本作のようなのんびりした作品も面白いですよ!
たまには何も考えず、ゆったりとした気持ちで見れる映画もいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
また次の記事もご覧頂ければ幸いです。